日本とドイツのサッカーの違いについて

プルメザスFAのドイツ人コーチ、ケビン・ベネビアツのコメント(Part 1)

私は2013年に交換留学で初めて日本へ来ました。その時から数年間年長から社会人にかけての男女日本サッカーを見ることがたくさんできまして、日本サッカーは母国のドイツサッカーと違う点が多くあることに気づきましたので、こちらでその異なる点についてお話ししたいと思います。定期的に更新しますので、お時間のある時に改めてご覧いただけますと嬉しく思います。

それでは、本日のPart 1では”サッカー”というものの捉え方についての話になります。
皆さんご存知の通り、サッカーではFIFAという世界サッカー協会がありまして、そのFIFAのIFABとの施設による毎年ルールが変更されます。尚、このルールはもちろん年齢を問わず当てはまりますが、ルールによってどこまで厳しく守るべきか、少し柔軟に捉えたらいいかとのところがありますよ。

じゃ、その捉え方を理解するために一体何が必要かといえば、サッカーではレベル別、また年齢別のカテゴリーがあるとの理解が不可欠です→ 例えば、ドイツだと、ブンデスリーガでのファール判定は子供サッカーと違うものになります。それは、子供サッカーは社会人サッカーと別のカテゴリーなるからです。カテゴリーは以下の通りです:
プロサッカー⇔アマチュアサッカー
その下で、 ①大人サッカ(18歳以上)、②ユースサッカー(小5年生〜高3年生)、③子供サッカー(〜小4年生)

まずはプロサッカーではルールが当然一番厳しく守られます。アマチュアサッカーなら大人サッカーでもそこまで厳しく守らなくてもいいルールもあるとのことをコーチライセンスセミナー中、ドイツサッカー協会トップレベル審判から講演されます。一つの例としては、ベンチのことです。ベンチ入りメンバー(スタッフや選手)は試合ごとに記録されていますが、記録されていない関係者がベンチに座っても問題ないです。それは、この方がピッチ内のプレイに邪魔しない限りです。また、ベンチメンバーは全員立って、”声や指示を出しても問題が全くありません”とはっきり教えられます。行為うルールはアマチュアサッカーである程度無視してOK、プロサッカー向けに作られたものですから。サッカーはあくまでもゲームですから、このルールを厳しく守ることがゲームを楽しむという目的を達成させないアクションになり、つまりどちらかというとよくないことです。

プレイに関するルールだともう一つの例を挙げたいと思います。ブンデスリーガでは守る選手がフォワードを前へ進めさせないためにある程度シャツを引っ張って相手のスピードを落としてからボールを取ります。もしくは、後ろから少し手で押して相手のバランスを崩してからボールを取ります。ここでは強さの程度によりファールと判定しないことが多いです。理由は、プロアスリートとして相手も耐えられる体があるはずで、耐えるために頑張るべきです。

しかし、丁度同じアクションが子供サッカーであれば、両方とも必ずファールとなります。子供に対して引っ張ることや押すことなどは暴力的なアクションになるため、ファールだと教えます。背景は子供は大人に比べて精神的にまだ完全に成長ができていないため、どこまでアグレッシブになっても問題ないか理解ができません。アグレシッブすぎて相手に怪我させることが起きたら一番よくないことですね。しかも、子供の体、筋肉はまだ成長中であり、大人ほど強くないため、体はどこまで耐えられるか子供によって大変異なります。体が早く成長する子供もいれば、遅い方もいます。そのため、同じ10歳の2人の中で1人目は8歳の子のような体、2人目は12歳の子のような体を持つこともあります。なお、この12歳の体が8歳の体に強くぶつかると、怪我に繋がる可能性が低くないことは皆さんもきっと想像できるかと思います。親として、1年生の息子や娘は4年生の子に体をぶつけられたくないと思われます。ただ、ここで意識すべきことは実際の年齢ではなく、体はどこまで成長しているかとのことです。しかし、大きい子は小さい子と試合させないというルールを作れないで、大変な怪我が起きないため子供に対してはアグレシッブなフィジカルプレイを必ず教えないことが当たり前とのことです。
→ 因みに、世界トップ選手はこのような育て方を受けましたから、小さい頃からアグレッシブなフィジカル育成が必要ないとのことが明確になるでしょう。

子供サッカー育成の目的は2つです:サッカーを楽しむこと、サッカーをできること。
サッカーできるために、勝利だけにこだわり、勝つためになんでもやります!ということが上記の目的につながりません。もちろん、勝利を目指して、勝利と敗北の嬉しさや悔しさを味割ることもとても大切ですが、サッカーができるために、必ず前からプレス!ビルドアップさせない!勝負は強く体をぶつけて!などはドイツの子供サッカー育成に入っていません。悪いもの、意味のないものとして見られています。なぜかというと、子供はボールアクションが必要です。守る練習もとても大切にしていますが、攻めることより守る方が簡単だからこそ、ボールアクションがたくさんできる育成となっています。

ここでは、ドイツで起こった一つのエピソードを話します。
2年生以下の試合で、あるチームのゴールキーパーはまだボールを強く蹴る能力を持っていませんでした。また、判断も早くない選手だったかもしれません。尚、このキーパーがボールを地面に置いてからパスを繋ごうとしたら、相手のフォワードはキーパーからボールを奪ってゴールを決めました。ここで審判は子供育成の目的を意識しながら、キーパーの技術を見てこうしました;”今日はキーパーに対してプレッシングは無しです!”もちろん、普通のルール上ではこれはゴールでしたが、大人サッカーのように競争的に考えすぎることがよくないため、子供のボールアクションを増やすためにルールを育成目的に合わせて変更しました。これでもっとビルドアップできる、いい試合になるため、コーチ達と保護者は審判の判定に文句言わずに賛成・納得しました。

なぜ本日この話をしたかというと、個人的な意見かもしれませんが、日本では大人サッカーと子供サッカーがよく分別されておらず、ルールはルールだから両方のカテゴリーで同じように捉えられているかと思います。しかし、上記で説明した通り、子供達に対して成長すること、楽しむこと、また怪我しないことが最も大切な目的のためルールの捉え方を改善すべきだと感じております。日本では、ヨーロッパの子供サッカーよりファールが圧倒的に多いものの、審判にファールと判定されていないため、ファールした人がアグレッシブなプレイを止めないで、相手は足や膝などを痛むことが多く起きます。こういうことがドイツで起きると、審判とアグレッシブにプレイするチームのコーチは、保護者を初め、相手コーチ、報告によりサッカー協会から注意され、罰を与えられることがあります。私も、子供の頃からこの育成仕方を受けて、指導者資格を取るときによく教えられてきていますので、子供サッカーでアグレッシブすぎるプレイを認められません。保護者達に子供達のケアを頼まれているため、子供達を守り、彼らの健康を保つための責任があります。

また、なぜ子供に対してアグレッシブすぎるプレイを認めて、怪我を防ぐためにより厳しく判定したり、指導したりはしないのに、ベンチでは指示出すや立つ人数は一人以内という大切でないルールに対してとても厳しく判定するか、よく理解できません。というか、納得できません。大切なのは子供達の育成と健康ですから、この考え方を1日も早く改善すればといいと感じます。

長いテキストとなりまして申し訳ございませんが、ドイツと日本サッカーでの違いについてご理解いただけたら嬉しく思います。私も、日本では好きなことがいっぱいありまして、サッカー育成的に日本ではたくさんポテンシャルがあると思うからこそ、上記の点について話したかったです。

それでは、次回 Part 2 で別の違いについて話をしますので、楽しみにしてくださーい

(2022.11.10 ケビン・ベネビアツ)

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